伝統建築物が立ち並ぶ近江商人の街 屋根のリフォーム工事
昔から交通の要衝と発展してきた近江。江戸時代後期から昭和にかけて商売で財を成した近江商人の屋敷や庭園が残るこの街並みは、伝統建築ファンやマニアにはたまらない貴重な日本伝統建築物郡の一つではないでしょうか。そんな伝統建築物が立ち並ぶ近江商人の街で知られる東近江市五個荘町の屋根工事のお仕事をさせていただけるとあって、匠の技を持つ大西瓦スペシャリストの職人達も「腕のみせどころ!」と奮起した工事現場の様子をご紹介。
高速道路を下りて周辺の様子をウォッチしながら現場へ向かう。兵庫県では饅頭瓦が使用するお家が多いですが、滋賀県近江のこのエリアでは大きく(軒瓦のたれが長い)立派な一文字瓦を使用しているお家が多い印象を受けた。また雪対策が必要なエリアでもあるため、雪止め瓦を設置しているお家も多く見られた。
一文字瓦の葺き替え工事は、鏨とやすりですり合わせして瓦を組んでいくため、瓦同士のすり合わせに高度な技術が必要とされます。瓦職人の繊細な技術と葺き替え工事完了までひたすら繰り返し続けなければいけない精密な仕事をやり遂げる根気と体力が必要で、「職人・匠の能力」により、屋根の精度や景観の良し悪しが決まるとも言われます。
一文字瓦 屋根葺き替えリフォーム工事のイメージ
立派な蔵の屋根に葺かれたいぶし銀の一文字瓦が伝統的な建物が立ち並ぶこの街の景観と調和されている。
大きな屋根工事ではブルーシート張りも大変です。強風時の作業の際は注意が必要です。時間のロスをなくし手際よく、問題なく養生できるのもプロの腕の見せ所の一つ!
雪景色がステキな街!雪が街の景観をさらに美しく引き立たせる自然の演出。ジャパンな風景!!大切に受け継いでほしい!
屋根のリフォーム箇所 施工前写真ピックアップ
瓦葺き替えに使用する瓦材 信頼と実績あるブランド一文字瓦
- 現場搬入前に、袖切カッターで、すり合わせ部分の角をおおかたカット。
- 現場で、瓦を並べて合わせもって、タガネとやすりを使ってすり合わせて調整していく。
- この作業が職人さんの腕の見せ所的なところでもあり、瓦の軒先の見栄えに関わる部分。
タガネと呼ばれる道具を使って、瓦を削っていく作業。電動工具もありますが、それでも職人さんの技術と手間はかかります。この作業を丁寧に行わない限り、左右の合わせ部と下のラインがキレイに揃わない屋根になってしまいます。一文字瓦の葺き替え工事は、鏨とやすりですり合わせして瓦を組んでいくため、瓦同士のすり合わせに高度な技術が必要とされます。技術だけではなく、やり遂げる根気と体力が必要で、瓦屋は、「心・技・体」を持ち合わせるナイスガイな男達が集まらないと成り立たない職業でもあります(笑)。良い屋根工事業者選びには「ナイスガイ」を見分ける目が必要です!
屋根リフォーム作業 屋根修理・下地作り・屋根防水シート張りなど
- 新調する瓦を大切に運ぶ!(力と忍耐!)
- 下地材を傷つけないようにやさしく!(やさしさ&思いやり!)
- 作業効率アップと自分と仲間の安全確保の徹底!(チームワーク&判断力)
瓦職人・屋根工事業者は、技術だけではなく、やり遂げる根気と体力が必要で、「心・技・体」を持ち合わせるナイスガイな男達が集まらないと成り立ちません(笑)。良い屋根工事業者選びには「ナイスガイ」を見分ける目が必要です!
板金部の交換。雨水の処理をする大切なところ。雨漏りを防ぐには、屋根部と壁際部のしっかりした板金工事・修理をおこないましょう。
屋根リフォーム 瓦の葺き替え作業行程の様子。
丸の箇所 飾り 切妻の飾りに使ったり、割りの部分の調整に使われる瓦。
雪止め瓦。豪雪地域の屋根に設置されている雪を止める役割をもつ屋根材。
屋根リフォーム工事完成 修理工事完成までの様子
希少な鬼瓦を使用していたため、きれいに修理して塗りなおし。屋根とお家の守り神として、今後も末永く活躍してくれるでしょう。
◆屋根リフォーム 一文字瓦葺き替え工事等 滋賀県東近江市 2015年2月
【お客様のご要望】
現在、伝統建築や日本建築の瓦を扱える職人や業者が減少しております。今回の屋根リフォーム工事では、特殊な瓦工事技術が必要であること、大規模であること、工事実績があることなどの評価により、過去に伝統日本建築物件の工事のご依頼をいただいた取引のある建築会社様からのご依頼でお仕事をさせていただけることになりました。
・既存の鬼瓦が立派で貴重な瓦であるため使用可能なものは塗装して再利用。
・新設部の瓦には雪止め瓦、雪止め金具を設置。
【大西瓦から一言】
昔から交通の要衝と発展してきた近江。江戸時代後期から昭和にかけて商売で財を成した近江商人の屋敷や庭園が残るこの街並みは、伝統建築ファンにはたまらない貴重な日本伝統建築物郡の一つではないでしょうか。りっぱな塀や木々に囲まれ、広大の敷地の中に建つとお城のような屋敷が立ち並ぶ荘厳な街並みは映画の中にタイムスリップしたようでした。
高速道路を下りてから周辺の様子をウォッチしながら現場へ向かったが、滋賀県近江のこのエリア界隈は立派な大きい一文字瓦(軒瓦のたれが長い)を使用する屋根が多い印象を受けた。兵庫県では饅頭瓦が一般的。
久しぶりの手ごたえのある日本伝統建築づくりの屋根工事で、材料搬入に体力を使った。また、雨、雪の多い地域でもあり、作業の進捗スピードに配慮が必要であった。一文字瓦の加工にも一工夫必要で根気な作業が続く屋根工事のリフォームであったため、「心・技・体」を持ち合わせる経験値の高いナイスガイなスペシャリスト職人たちに大いに活躍いただいた(笑)。
工期:約1か月